2019-07-16
2019年、株式会社ワンダーテーブルが運営する「ロウリーズ・ザ・プライムリブ 赤坂店」「モーモーパラダイス 歌舞伎町本店」の2店舗が、経済産業省の定めた「おもてなし規格認証」の最高位である「紫(3つ星)認証」を外食産業として初めて取得した。
今回の受賞を受け、2019年6月に同社の秋元社長にお話を伺った。
実は、最高位認証を取得した2店舗は価格帯が大きく異なっている。高所得者層をターゲットにハイブランド展開をしてきたロウリーズに対し、モーモーパラダイスは比較的リーズナブルにお肉を楽しめる食べ放題の業態だ。「だからこそ意味がある」と秋元社長は語る。
これまで最高位認証を取得してきたのは、ほとんどが高級なホテルや旅館などだった。だが、客単価平均が約4000円のモーモーパラダイスにおいても、質の高いサービス提供や外国人のお客様への対応はしっかりできている自負が同社にはあったという。実際、2020年へ向けてインバウンド需要が高まる中、リーズナブルな価格で高付加価値な体験を提供する店の存在はネット上でも評判を呼んでおり、「モーモーパラダイス 歌舞伎町本店」はエリアの口コミランキングで常に上位に表示されているそうだ。
なぜ、同社の社員たちは高付加価値な「おもてなし」を実現できるのだろうか?
その背景には、サービスを越えたホスピタリティを徹底するための教育システムがあるという。
取材中に秋元社長から「こんなものもありますよ」と見せて頂いたのは、なんと社員専用のアプリだった。企業フィロソフィやホスピタリティのあり方について動画で学べるeラーニングのシステムも組み込まれており、誰が何回視聴したかのデータなども確認できるという。アプリには他にも、会社のニュースリリースやウィークリーメッセージ、上司には言いにくいことを聞ける相談窓口の機能までが実装されていた。社内の情報を一元化して、その中で企業理念を可視化することで、全社への価値観浸透を実現しているのだ。
ローストビーフを目の前で切り分けるアメリカンスタイルの「ロウリーズ・ザ・プライムリブ」か、しゃぶしゃぶ・すき焼き食べ放題の専門店としてグローバルに支持を集めている「モーモーパラダイス」か。日本最高峰の「おもてなし」を味わうなら、貴方はどちらへ足を運ぶだろうか?
取材:柴田有紀/カウテレビジョン(2019年6月26日)